とっておきのお酒の話 vol.13

3.焼酎

 

<森伊蔵>
一時は偽物が出回った「森伊蔵」です。「魔王」、「村尾」と合わせて頭文字を取り3Mと呼 ばれています。歯科材料競合メーカーの宣伝をしているようで、3Mと言う響きは嫌なのです が。 最近の焼酎は臭みがなく呑みやすく、次の日に残らない。ストレート、お湯割り、水割り、ウ ーロン割り、ソーダ割りなど色んな呑み方が出来るのも魅力です。各社から缶入り製品が発売 され、酒販店やスーパーで色々な製品を手にすることができるようになりました。
各社の代表的な製品
各社の代表的な製品
<各種の代表的な製品>
 老若男女が焼酎を口にするようになり、2003年には日本酒の出荷量を抜いてブームが到来、2008年にピークを迎えました。ピーク時の焼酎メーカー上位50社の売上高は3472億円でしたが、2013年の売上高は2863億円で、約20%減少しており伸び悩んでいます。
売上高トップは霧島酒造(宮崎:霧島)、2位は三和酒造(大分:いいちこ)、3位は薩摩酒造(鹿児島:白波)です。地域別売上高の直近の情報では、10年連続トップだった鹿児島県を抜いて宮崎県が1位に、鹿児島県は2位、大分県が3位の順となっています。

 

郡山八幡神社の落書き>
 焼酎の起源は正確には分からないようですが、少なくとも16世紀頃から造られていたとみられます。鹿児島伊佐市の郡山八幡神社には、永禄2年(1559年)に補修が行われた際に、大工が残した「焼酎も振る舞わないケチな座主だ」と言う内容の落書きが伝わっており、焼酎の飲用について日本国内で存在する最も古い文献です。
焼酎は蒸留酒の一種ですが、蒸留法の違いで乙類と甲類に分けられています。単式蒸留で造ったものが乙類で、連続式蒸留で造ったものが甲類です。乙類はアルコール度数が45%以下、甲類は36%未満と決められています。

 

以下に簡単に製法を述べます。
米(または麦)に黄麹菌を播きカビを生えさせ米麹(または麦麹)とする。
甕やタンクに米麹(または麦麹)、水、酵母を加え5日間程発酵し醪(もろみ)にする。(一次仕込みと言う)
一次醪の中へ蒸した原料(米、麦、芋、蕎麦、じゃが芋、黒糖、胡麻、栗、人参、クズ、ヒシなど)と水を加え10日間程発酵し醪(もろみ)にする。(二次仕込みと言う)この時加えた原料が焼酎の冠名になる。さつま芋なら「芋焼酎」、黒糖なら「黒糖焼酎」。
二次醪を蒸留したものが製品になる。⇒新酒または熟成貯蔵(=寝かせる工程)を経て出荷。

 

日本酒造協会が会員に頒布している焼酎酵母には以下のようなものがあります。

 米(ジャポニカ米)が原料では「球磨焼酎(熊本県人吉地方)(*)」、麦が原料では「壱岐焼酎(長崎県壱岐地方=麦焼酎発祥の地)」&「大分麦焼酎」、芋が原料では「薩摩焼酎(南鹿児島地方)」が良く知られています。

 

(*)室町時代から明治時代まで造られていた古式球磨焼酎は、原料に玄米を使い黄麹菌で米 麹とし、小さな桶に水と蒸玄米を加えたどんぶり仕込みを行い発酵させ、兜釜で蒸留していま した。清酒より旨いと言わせる高級な焼酎だったとも。その復刻版として「明治波濤歌(めい じはとうか)」(720ml、35度、3,500円税別)を大和一酒造元が造っています。 玄米で造ったにしては値段の張るものがあるが、値段の分旨いと思わせる力強さがあります。 (清村歯科医院 清村正弥院長談) 

 

↓以下に球磨焼酎ブランド全蔵一覧(清村院長より提供)を示す。
 沖縄県特産の「琉球泡盛」は、1853年にペリー一行が琉球国(沖縄)を訪れた際に、「まるでフランスのリキュール(ブランデー)のようだ」と言ったと伝わっています。原料にインディカ米の砕米を使い乙類焼酎に分類されていますが、その製法が少し異なります。
 まず、米と黒麹菌(泡盛麹菌)を使い米麹とし、全量米麹仕込みの一次仕込みを行い、発酵させ単式蒸留したものが泡盛になります。(焼酎のように二次仕込み工程なし)アルコール45%前後の
お酒で、素焼きの甕に長期間貯蔵熟成したものが淡黄色の古酒(クース)です。まろやかで甘い香りのお酒となります。

 

 写真は価格も手ごろな久米仙の3年古酒(2500円、900ml)です。貯蔵熟成期間が3 年以上のものを古酒と呼び、それ以下は一般酒と呼ぶ。古酒の中では3年古酒が50%以上を 占めています。単純に「古酒」と表記されているものは、3年以上の古酒と一般酒のブレンド のようです。「OO年古酒」と表記されているものを購入されることをお奨めします。泡盛の 起源は15世紀頃にシャム(タイ)から伝来したとされ、その後に九州に伝わり焼酎へと発展 しました。焼酎は、直燗、燗ロック、お湯割り・水割り、ロックなど多彩な呑み方ができま す。 

 

 直燗:弱火で40~50°Cになるのを待ち、小さな杯(チョク)でチビリちびりと舐めるようにして呑む。
② 燗ロック:グラスにたっぷり氷を入れて、直燗した焼酎をゆっくりと注ぎながらステアする。注ぐ量を調整し好みの濃度とする。
 お湯割り・水割り:嗜好品なので個人差はあるが、25度の焼酎の場合は6(焼酎):4(水)で割ると、濃度が15度となり旨いと感じる人が多い。35度の焼酎の場合は同じ濃さで呑むには、焼酎と水の比率が4:6と逆になります。

 

次回(第14回)は日本酒第一部についてお話をしようと思っています。

by Mr.k